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【催眠とは】

 催眠は語源としては「眠気を催すこと」を示します。しかし、実際のところ催眠にかかっている状態でも意識は存在しており、術者(催眠術をかける人)の話しかけに対して、反応することができます。よって、睡眠とは異なった状態といえます。

 催眠とは、暗示を受け入れやすい意識状態(変性意識状態=トランス状態)を意味します。また、その変性意識状態に導く技術を催眠術と呼んでいます。この変性意識状態では上述の通り意識は存在しますが、特筆すべき点として意識が集中している状態(意識集中状態)になり、集中している以外のモノやコトに対して何も気にならない状態になります。それ故に、術者の暗示を受け入れやすくなります。

催眠状態に似た状態としては、以下の様な物があります。

  ●好きなテレビに集中して見入っている状態

   (強い刺激には覚醒するが、他のことが気にならない)
  ●電車の中で単調な揺れにより意識が内側を向いてうたた寝している状態

   (目的地に着くと覚醒する)
  ●芝居やコンサートなどに集中している状態

   (幕が終わると覚醒する)

 

 催眠を行う際に重要なキーワードとして、意識と無意識があります。意識はその名の通り通常の状態で顕在化していることから、催眠では"顕在意識"と呼び、無意識は顕在化していない部分であることから、"潜在意識"と呼び区別します。

 心理学では、この無意識は人が持つ全体の意識のうちの97%を占めているという統計結果に基づいており、催眠はこの無意識に対して影響を与えることのできる技法になります。無意識に対するアプローチが可能である技術であることから、ストレスの解消などの心のケア、あがり症の改善、スポーツ分野におけるイメージトレーニング(能力向上)などに役立てることができます。

 また、催眠ショーなどに使うことで、被験者(催眠を受ける人)を動物に変化させたり、モノの味を変えたりすると言ったことも可能です。ただし、催眠は魔法ではありませんので、被験者が本能的に嫌だと感じることや、生命維持活動に影響を与えるような暗示を受け入れることはありません催眠状態にあっても、言いたくないことをペラペラ話したりといったことをさせることは、絶対にできません。
 

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